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理解とトキメキの関係 13 知識を組み合わせる方法

もう少し短くまとめると、大学では知識を組み合わせてときめいてもらいたいのに、学生は正しい組み合わせを先に知ってしまうので、組み合わせない。ということになる。 では、どのようにすれば、学生諸君が知識を組み合わせてときめいてくれるかということが問題となる。大学教育の本質を新たな知識に興味を惹かれてときめくことと考えておられる先生方には申し訳ないが、 自然発生的に知識を組み合わせてひらめくトキメクことを期待するのはとても時間と努力がかかり、多くの先生にとって非現実的である。 例えば、本には載っていない正解が存在している自然があふれる場所に学生をつれていき、そこにある自然の中の正解を提示することができれば、学生がその課題について興味を持ってくれる。そこでは、新たな発見を、知識を組み合わせて行うことができる。 ただ、そのような場所に行くことや行かない場合でも動画を作成すること、課題を設定することは学問で求められる課題解決能力とはズレる場合も多く、さらにそれらを用意するのは非常に時間と労力がかかる。 教員は、時間も労力も、無限に教育に捧げるべきだとのお考えもあるかもしれない。しかし、そのような努力を教員に求めることは、教員の労働環境を劣悪にするばかりではなく、到達し得ないことが増えるため、教育の一般的方法とすることは難しい。

理解とトキメキの関係 12 学生から考えた大学での学び

学生側から見ると学生諸君が大学に入学した、第1の目的は知識を得ることではなくなっている。 知識自体はインターネットで大量に得られるからである。 では、なぜ大学に入学するかというと、比較的多くの学生が 資格を得るため と答えている。ベネッセ教育総合研究所の 大学生の学習・生活実態調査でも 、楽に習得できる単位であれば楽に習得したいという回答がの割合が増えている。つまり、100%ではないが多くの学生にとって大学で教育を受ける目的は大学を出る-単位を取るということにあり、 知識を習得してときめくことではなくなっている 。 https://berd.benesse.jp/koutou/research/detail1.php?id=5169 残念ながら、新たな知識を知る学問の喜びをいくら教員が強調しても、その横でその知識をインターネットで検索されたのであれば、ときめく前に知識を入手してしまう、したがってときめかないことになる。 これは、現実として受け止める必要がある。

理解とトキメキの関係 11 知識を組み合わせてもらうための方法

知識を組み合わせて、課題を解いてもらう訓練をするためには二つの方法がある。 一つは組み合わせて課題をとかなければならないような課題を設定し、その課題に対して正解がない中で努力することである。 これが卒業研究にあたる。 今一つの方法は正解が知識は公表されているが、その知識を参照することができない場所に学生を置き一定の知識を組み合わせて正解を得ることを求める方法である。 これが(持ち込みを禁じた)試験と言える 試験では、知識そのものを記憶しているかと合わせて、知識を正しく組み合わせることができるかについて、問うている。

理解とトキメキの関係 10 知識の組み合わせの大切さ

もう一度トキメキに戻ると、大学教育においては、知識自体の発見という点では、供給可能性がとても低くなっている訳である。 大学教育においてはその様な状況でも、言い換えるとインターネットで知識を得られることを前提として、全部を直接の知識として教えたりはしない。知識の量が膨大になり、時間が足りないということもあるが、 知識を組み合わせて課題を解く能力を伸ばそう と、教員は努力しているわけである。 インターネットが流通していても、試験を重んじるのは、 正解はなくても現場で使わなければならない「 知識の組み合わせ 」が大量に存在している からである。人工知能が発達した時代においてもその組み合わせを生成する能力は強く求められる。 そのため、おそらく大学教育においても情報を遮断した場所における課題の設定、即ち試験はなくならないと想定される。 ここまでのことを整理してみると、明治初期の大学と比べ、現在の大学は知識の独自性は失われていると言える、しかしながらその 知識の組み合わせによる課題解決は現在もこれからも求められる 。

理解とトキメキの関係 9 インターネット時代に知識でトキメク

ここでもう一度トキメキに話を戻したい。ときめきは知識を組み合わせた時にで新たな知識を作り出せた時に生まれると蒸気で議論した。しかし、インターネット等の発達の結果、習慣的に、知識と知識で知識を組み合わせて新たな知識を作ることは不正解を導く恐れがあるという認識が現在の若者に広がっていると考えられる したがって、新たな知識を知るという側面でのトキメキは大学から失われてしまっていると極論できる その様な状況下でも、知識と知識を組み合わせる必要はまだまだ存在する。専門家として活動する現場においては、従来知られていること以外の状況が出現するため、 知識と知識を高速で結びつけ、最も適切な対処方法を考える必要が、どの専門家にもある 。知識と知識の組み合わせは、知識の全体量の組み合わせ数条文だけ必要になる。知識が100万件あれば、組み合わせは10の12乗になる。 それでも講義で教育されるの多くの結論について知識の組み合わせを検索した方が早いのはなぜかというと、講義では定型的な一般性の高い組み合わせを教育するため、その組み合わせ自体が インターネットで検索可能だから からである。 逆に、インターネットに記載されていない知識の組み合わせ、つまり、全くインターネットに出ていないような組み合わせを教育すればどうなるかと言うと、その 知識と知識の組み合わせについての検証がなされていないため、講義の内容が不正確 ということになってしまう。 そのため、 正解が判明しており、インターネットには掲載されていない知識と知識の組み合わせというもの を教育することは、とても難しいという状況になっている。

理解とトキメキの関係 8 インターネット時代の知識

明治と比べ、現在は状況が大きく変わっている。 多くの知識についてインターネットに掲示されている。 しかも、インターネット初期とは違い、それぞれの掲示されている知識については多重のチェックが行われ、複数の解説がある場合にはそれらを容易に比較できるようになっている。 したがって、多くの知識について知識を組み合わせてそれらを作り上げるよりも知識そのものをインターネットで探し出した方が正確であり、しかも考えて結論を得るよりもスピードが速いという状況が生まれている。 専門的な知識についてもインターネットには記載されてることが多い。しかも検索が早く正確である。 つまり、大学教育における専門性や特殊性の高い知識についても、講義中の課題についてはインターネット上の知識の方が大学で独自に知識を組み合わせて新たな知識を作るよりも正確で速いという状況が生じてきている訳である。

理解とトキメキの関係 7 明治時代の大学

明治時代の大学には、このようなときめきが溢れていたのではないかと思う。 知識は特に専門的知識は非常に高価でしかもそれを習得するための基本となる知識も高価であったため、知識を得ること自体が高価値であった。 明治時代には教科書は極めて貴重だった。北海道大学の100年記念会館に行くと、明治初期の学生が残したノートが展示されている。よく見ると、馬の解剖図などを含めて教科書をそのまま複写している。写本である。 当時は、教科書に書かれた知識の価値が高いので、写本➡単語について知識を➡それらを組み合わせて馬の体の知識を自分の中で構築する。という順序で学習が進んだ。それ以外に方法はなかったわけである。 他では得られない知識を得る際には、明治時代の大学生はさぞやときめいたと予想される。 https://www.hokudai.ac.jp/introduction/campus/100th/

理解とトキメキの関係 6 課題に知識を使う

トキメク ことと 知識 を考えると、 課題 というワードも必要になる。 課題とは、解決しなければならない問題のこととする。 人間は 課題を解くのに知識を使う 。 ただし、知識の組み合わせは無数にあるため、どの知識とどの知識を組み合わせればどのような課題を解決できるかは当初分かっていない。 無数の 知識の組み合わせから、課題を解決する組み合わせを選択 できたときに、ヒトはトキメクようである。 実際には、もうひとつ、その課題を解くことが自分にとっての重要性が高いと感じることも必要になる。全く興味がないことについてのクイズ正解しても、うれしくない、ということである。 小学校低学年の知識の組み合わせを例にとると、 数字 というものの意味を習い、続けて 足す という法則を習ったとする。 1は1つのものを表わし、2は二つのものを表す。 足すという行為が、並べてに置いてあるものを二つ合わせて新たな数字にする。 ということの意味を習って、なんとなくわかった時に、1足す2という課題を与えられたとする。 この際、人間は数に関する知識と、足すという行為に関する知識を組み合わせて、正解を導く。 重要なことに、「 教師は1足す2は3である 」 という知識は教えていない 。 ここでは、 知識としての数字と、知識としての足すという行為を組み合わせることにより、新たな課題を解くことができた 。 小学生の時には、これでときめいた。

理解とトキメキの関係 5 知識でトキメクしくみ

では、人間が トキメク のはどのような時であろうか? NHKの大河ドラマで主人公が教師から水をかぶるようになる逸話が紹介されていた。そこでは、教師が水をかぶる健康法を教室で紹介し、主人公が初めて知った喜びで、感動していた。ここで典型的に示されているのが 新たな知識へのトキメキ ではないかと思う。 とはいえ、私の場合、高等物理学や、非常に難しい哲学の話を聞き続けると、全く理解できず、 ときめかない 。 また、小学校の校長先生などが長い訓示を垂れても多くの小学生は ときめかない 。 これらの事例からトキメキのしくみを考えてみたい つまり、 自分が知っていて判断できる範囲に新たな知識が到来する と、人間はトキメクのではないか。 http://www.shibuya-univ.net/report/detail/980/

理解とトキメキの関係 4 楽しいと学びの関係

一連の投稿のテーマに戻る 楽しいと学ぶことの関係 を述べてみたい。 NHKの、チコちゃんに叱られるでは、 年齢と共に時間が短くなるのはトキメキが少なくなっているから という解説があった。 http://xn--h9jua5ezakf0c3qner030b.com/1698.html とすると、大学で講義がつまらない-わからないというのは、実は、 トキメキが少なくなっているから かもしれない。 また、トキメキとなると、先生が好きか嫌いかも関係する。 小学生がよく言う事であるが、嫌いな先生の話は全然頭に入ってこず、好きな先生の話は一言一言が頭に入ってくる。 これは 心地よい という言い方にも関係する。 リズム や 声のトーン 、 分かりやすい図 などが授業の大きな成否を決めると考えられている。 これを、 トキメキと関係して考える と心地よいリズムや声や図が自分の知識とうまく組み合わさった時に人間はときめくのではないだろうか。 即ち、トキメクためには、元々の知識をある程度膨らませ、その知識の到達点の先を講義で話すことが有効で、 結果として学ぶことが楽しい ということになる。

理解とトキメキの関係 3 知識グリッドはちょっと楽しい

重要なことは、このような知識グリッドにまとめた知識を設問として解く時には ちょっと楽しい ということである。これは知識グリッドで学んでもらった複数の学生から聞いた感想である。つまり、知識グリッドから設問への 知識の組換え はちょっと楽しいのである 学問を 学ぶ のが 楽しい に少しだが近づいている。私の講義では、この知識グリッドを配布し、同時に知識グリッドからの設問生成方法を配布した。合わせて、eラーニング上に生成された設問を掲載して回答を練習してもらった。 その結果、知識グリッド導入前と比べ 期末試験の点数が20%向上 した。 少数例ではあるが、 成績の向上 と ちょっと楽しい 、は、どうも関係しているようである。 知識グリッドについては、医療系eラーニング全国交流会で奨励賞をいただいた。 https://www.rakuno.ac.jp/article-61126.html

理解とトキメキの関係 2 知識グリッドの紹介

知識グリッドでは、講義で説明する知識を 比較的単純な表 にし、その表から自動的に設問を生成する。表から生成される設問は、表の要素を使って生成するので、表の要素を記憶しているとほとんど正解できる。 https://www.facebook.com/tobunoteizumo/ 私は知識グリッドを学生の皆さんに示す時には、同時にその知識グリッドからどのように設問を生成するかを図解して示す。機械的に知識グリッドの要素を組み合わせれば、正解が確実に得られるようになっている。とはいえ、その組み合わせは多数あるので、学習者は、限定された範囲で、知識を組み合わせる必要がある。 知識グリッドの具体的な設問生成方法については、またいずれ解説したいと考えている。

理解とトキメキの関係 1 学ぶことが楽しい を考えてみます。

医療系eラーニング全国交流会会長の真嶋先生が大学教育について、「 学ぶのは楽しいということに気づいて欲しい 」とFacebookに書いておられた。「楽しいから学ぶ」のは高等教育の目指す教育の形であろうと思う。でも実現できていない。 私は20年間、 学ぶのは楽しいという状況 を作り上げるにはどうすれば良いかというのを悩んできた 少しそれに近づいたと思えるのが、 知識グリッド という知識を学ぶための効率的な方法である。次回から、知識グリッドを考案した背景を説明したい。 知識グリッドの紹介は下記。 https://www.facebook.com/tobunoteizumo/

すみません。ブログの名前を変えます。

飛ぶノート と といかけ君を、できるだけ多くの人に知ってもらいたいと考えて始めたブログなのですが、書きたいことが、全然別の方向になってきました。しばらくお休みしたのをきっかけに、ブログの名前を変えることにしました。 もし、飛ぶノートの話題と といかけ君の話題を待っておられる方がいれば、申し訳ございません。 ブログの名前を変えた理由がもう一つ、教科書の記述を元に、設問を生成する仕組みを作っていたのですが、実用に近づいてきました。知識グリッドと名前をつけて、これからいろんな方に活用してもらいたいと考えています。活用に向けた努力も書かせていただくので、飛ぶノート や といかけ君の記事は減ると思いますので、製品名はブログ名から外そうということになりました。 次回から知識グリッドのお話しをさせていただきます。